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オ ッ ト コ 前 奥 井 雅 美
知名度こそあまり高くありませんが、奥井雅美様は日本でも有数の実力のシンガーソングライターです。
J−POPは、ドラマの主題歌になれば売れるけど、実力の裏付けが無いから泡沫*のように消えていく、
という歌や歌手があまりにも多いのですが、奥井雅美様は元コーラス歌手であり、実力は申し分なしです。
その歌はロックでありポップであり清澄*であり、一言で言えば「オットコ前」です。
歌詞、曲、編曲、ヴォーカル、全てが圧倒的なウェーヴとなって心の琴線*に共鳴します。
細かい部分を言えば、元コーラス歌手という経験が活きていて、各曲ともコーラスが巧み*です。
最近は「okui, masami」として活動しているようですが、この項内では「奥井雅美」で統一表記します。
以下、奥井雅美様の数多くの名曲の中でも、特に印象に残る曲の紹介です。
(基本的に下の方が新しい曲です。)
『虹のように』
雨の後、虹が出ることがあります。が、必ず出るとは限りません。
雨が降った時、その中に立ち尽くし、この歌を思い出すことがあります。
「自分は今こんな所で何やっているんだ!?」答え無き自問自答……
虹は、そんな私の前には滅多に姿を見せてくれません。
たまに出ても微笑みかけてはくれません。
手の届かぬ遠くで素っ気なく輝くのみ。それでも心が解けてゆきます。
単なる自然現象である虹を見て何を感じるか。
そこに、見る人の内面が映し出されます。
虹は時間が経てば消えてしまう現象ですが、その中に永遠がある。
弾む*ようなこの曲の律動*は心の中のもやもやした気持の癒着を
快刀乱麻*で千切りにしてくれます。
『spicy essence』
何事もやめ時が肝心です。
いつやめるか、その判断が非常に難しい。
不調の横綱が引退するかどうかの決断。
戦争にしても、始めるのはまあ簡単としても、
どこで和平を成立させてやめるかが難しいのは
歴史が証明しています。恋愛も、
始まる時は熱病のウイルスに感染するようなものですが、
別れようと思っても未練が残ります。
あるいは、自分は別れたくても相手が別れてくれない
なんて泥沼もあります。
最初は、今回だけ仕方なく、のつもりだった不法行為も、
いつしかマンネリ化してやめられなくなります。
この歌は別れの決断の歌です。
まあ、この決断に至るまで様々な紆余曲折*と苦悩と
断腸*の痛みがあったのが、限られた歌詞の中から
鮮明に浮かび上がってきます。
この決断の潔さ。そして、最後に歌われる
スパイシーエッセンスの意味。
まさにオットコ前の歌です。
『太陽の花』
「太陽の花」と書いて「ひまわり」と読みます。その心は?
笑点じゃないので落ちはつけません。
他に「lotus」「紫陽花*」など、
花というのはシリーズテーマみたいなもんでしょう。
ギターとサックスは、奥井雅美様の曲を彩る*ツートップですが、
この曲はサックスの方です。
自分の気持ちを素直に表現するのが弱さであり、それを否定しない。
というのは斬新な考え方でしょう。
ひまわりというのは、大輪の美しい花を咲かせ、
種は食用にもなるし油も採れる。雑草の対局にあるような花です。
でも私はひまわりも好きです。
ひまわりの種は香ばしくて美味しいので、酒の肴*には良いでしょう。
でも皮剥いて中身取り出すのが面倒ですね。
酔って手先が覚束なく*なっていたら尚更ですな。
『kiss in the dark』
例によって私なりのイイ加減な解釈による譬え*で表現するならば、
「場末のケバケバしいラブホで、初対面の男と女が、
激しく相手を求めて、吸血鬼の如く*唇を貪り*合う。
リンゴをかじったのでもないのに歯茎から血が出る程の、
鋭い吸引で熱いキスをする。互いの舌がナメクジの交尾のように
妖しく絡み合う」
といったところです。よくお解りいただけたと思います(?)。
ところで、
ラブホって、大抵場末にあって、ケバケバしかったりするもんだ。
それと、
ナメクジって、交尾するんでしょうか? どうやって生殖するんでしょうか?
まあとにかく、ラブホで激しい交尾をしながら聴いてみて下さい。
それにしても、いわゆる性交(セックス)のことを
交尾とか生殖とか言ってしまうと色気も素っ気もありませんね。
『なりたい』
この項の題名になっている
「オットコ前」
って何よ? と疑問が生じます。「オットコ前」を
強いて英語でいえば、一番近い単語は、
HANDSOME
だと思います。その一言では語り尽くせない「オットコ前」
の形。その答えがこの曲です。
人間として未熟であることを「青い」と慣用的に表現しますが、
じゃあ、熟したら何色になるのでしょうか?
リンゴみたいに赤くなるのかな?
そういえば「朱」って曲がありましたね。
熟したらきっと朱くなるんでしょう。
でも青リンゴは青リンゴで赤いリンゴとは違った美味しさがあります。
現実にはオットコ前の人は男女問わず滅多にいません。
女々しい人なら男女問わずあちこちにいますが。
ネットオカマが熟したら本当の女より女らしくなるんだべか?
なんか、話が曲の解説から少しずれてるような気がします。
かなりずれているという説もあります。
この曲は未完成な感じがします。シューベルトとは関係ありません。
ただその未完成さが魅力です。
『IN THIS ARM』
この曲は皆様の評価が高いようです。私も好きです。
本当の仲間とは何でしょう?
からっぽの仲間ならたくさんその辺に転がってますが。
あと、靴を履き替えるってのは本当に勇気がいると思います。
靴擦れ*しますからね。
新しい靴というのは、新しい服よりも遙かに大きな変化です。
その靴に慣れるために、履いて部屋の中を歩き回ったりします。
靴紐を穴に通す作業が面倒臭くもあり、楽しみでもあります。
辛いことがあって気分転換をしたい時には、
靴を履き替えるのがいいかもしれません。
そこから、新しい一歩を踏み出して行くのです。
私は音楽については素人ですが、この曲と、
「輪舞」と「Sunrise Sunset」は同じ曲です。
良い意味でのマンネリです。この切なく緊迫した旋律の中に、
言葉では語りがたい多くの物を詰め込んであるのです。

奥井雅美 / S-mode#2
『TURNING POINT』
数多くの名曲を歌い上げている奥井雅美様ですが、
その中でも最も激しい曲です。
無機的な都市の中で、退廃的*な虚栄*のぬるま湯に浸かっている中に
液体窒素を流し込まれたような、破壊的なまでの激しさです。
スティーヴ・ルカサーのギターやビリー・シーンのベースも
聴き所です。超攻撃的な歌詞も耳をすませて読み取るべし。
そしてこの曲のテーマは、
ターニングポイント
です(当たり前ですが)。
ターニングポイントにも、自分から作るものと、成り行きの中で
訪れるものがあります。大事なのは、成り行きターニングポイントです。
どこに潜んで*いるのか、見つけ出す透徹*した眼が必要です。
ウエルズの『塀についた扉』を思い出します。
『Sunrise Sunset』
この曲については多くを語る言葉を持ちません。
バラードです。
でもロックです。
それもかなりハードなロックです。
夕暮れの荒野で乾いた風に身を任せながら、
人生の悲しみにむせび泣き、歌い上げる曲です。
いつの日か、誰もが旅立ってしまう。遠くへ……
さようなら。おやすみなさい。
そんな言葉とともに、それぞれの人生の道は分かれ行きます。
沈み行く西日を後悔とともに見送る必要はありません。
夕日には背を向けて、今は暗い東の空を見上げて下さい。
太陽はまた昇り、道をしるしてくれるでしょう。
聴きどころは前奏と間奏のむせび泣きのギターです。

『空にかける橋』
携帯電話の着信メロディーにしています。
ところで、ケータイの着メロって、
大抵の人は好きな曲を設定しますよね?でも、
迷惑メールやワン切りの時も好きな曲が鳴るのは悔しくありませんか?
しまいには、その着メロの原曲を聞いただけで、
腹が立つようになったりして。これじゃ本末転倒ですね。
パブロフの犬現象ってのは本末転倒の実験だったんですね。
あ、そうそう、『空にかける橋』の解説でしたっけ?
と思ったけどもう書く場所なくなっちゃいました。
まあとりあえず自分で聴いてみて感じて下さい。(無責任)
メルニクス語の解読をすればより深くこの曲を味わえます。
ヒント。スイトゥンドゥエヤ=SOMEDAYです。
ちなみにケータイは大抵マナーバイブモードにしているので、
着メロを設定している意味がほとんど無かったりします。
『少年』
これは奥井雅美様の曲の最高峰なのでは?
シンプルでかつ辛口の編曲。
ファンタスティックでいながら激しい歌詞。
地に足のついた低音と冴えるギターサウンド。
魂の鼓動と共鳴するビート。
空高く舞う歌声。
淡い哀しみを歌詞以上に雄弁に伝える幽か*なビブラート。
譬えるならば、
「これから、仲間たちと共に最終ボスへの戦いを挑もうとする勇者」
といったところでしょうか。
なんとなく『メルサスの少年』を思い出します。
どうせなら『少年』だけでなく、「少女」「青年」なんて曲も、
歌ってくれたら聴いてみたいです。
『スクランブル』
言うまでもなくスクランブル交差点の意明図(イメージ)。
オリンピックの三段跳びの金メダリストの記録は、
スクランブル交差点を三歩で渡る、と言われます。
普通の人って何歩で渡るんでしょうか?
あ、足の長さの差も如実に結果に反映されるんだろうな。
スクランブル交差点の真ん中で立ち止まって、
周囲の雑踏と情景を鉛筆でスケッチしながら、
人生のせつなさに思いを馳せ*て聴いて欲しい曲です。
どんな白黒の絵が描けますか?
その白黒画に暖かみはありますか?
ホントにスクランブル交差点の真ん中で
立ち止まったりしちゃったら大迷惑ですが。
つまり、人生はその場に立ち止まれないもので、
行く方向が定まっていないとしても歩き続けなければならない。
そんな悲しみを、あまり暗くなり過ぎずに歌い上げた秀逸*曲です。
『HAPPY PLACE』
オートバックスのタイアップ曲というぐらいですから、
恋人とのドライブには最適の曲。
ラブラブ度、スピード感、青い爽快な空の下の二人。
でもこの歌の主役は、タイトル通りハッピープレイス、つまり場所です。
やはり、愛の告白をするには場所を選ばねばならないのです。
でも、「弘法は筆を選ばず」とも言います。つまり、
恋愛の達人ならば場所に関係なく相手をゲットしてしまうんですね。
最近では、場所なんて概念を笑い飛ばす、ケータイとかメールとかでの
告白が幅を利かせているのではないでしょうか。
「不倫が文化」なのだとしたら、「告白も文化」でしょう。
ちなみに、私にとってこの歌の一番好きなフレーズは、
「らーらーらーらーらーらー、らーらーらーらーらーらー」
という、間奏部分のコーラス(シャウト)です。
奥井雅美 / S-mode#3
『INTRODUCTION』
例えば同じ長さのスカートを見ても、
価値観が違えば長くも短くも見えます。
価値観は時代と共に常に変わりゆくもの。
スカートはどこまで行っても長く見えるもの。
どんな短いスカートも不可能ではありません。
どこがスタート地点か。
1からのスタートか。0からのスタートか。
それも価値観によって違うかも。
卵から青虫を経て一生懸命キャベツがじって
やっとサナギになっても、
そこから空へ飛び立つ時こそが、
真のイントロダクションだったりします。
さあ、いつ本編へと入りましょうか?
めくるめく快感が待っているはず。
『Earth』
これはイメージの分かり易い歌です。
宇宙船から見た地球。
ぼくたちはどう生き行くべきなのか?
そう問いかけ続けることこそが他でもない答えなのですが。
昨日も今日も明日も争いは無くなりませんが、
それがとても虚しく不毛だということを、
この歌は思い出させてくれます。
誰だって一度くらいは宇宙船から青い地球を眺め、
その美しさに心打たれたことがあるでしょうから(笑)
声高に戦争と平和を叫ぶ声を聞いても疲れることもあるので、
単純に美しい旋律とコーラスを味わうのもいいでしょう。
パッヘルベルのカノンのコード進行そのまんまですけど。
そこがまた心に響いていいんですよね。
奥井雅美/ReBirth
『Troubadour〜吟遊詩人〜』
題名トルバドゥール(Troubadour)はフランス語で吟遊詩人のこと。
歴史的に厳密に言えば、プロヴァンス地方を中心とする南フランスで
12世紀前半から13世紀にかけ、中世プロヴァンス語であるオック語を
使い活躍しました。主に貴族、騎士階級の人たちであり、
宮廷で恋愛叙情詩を歌うのを得意としてました。
それに対してトルヴェール(Trouvère)というもの存在しました。
こちらはトルバドゥールの影響で発生した、12世紀後半から13世紀にかけ
北フランスで中世フランス語オイル語で活躍した吟遊詩人です。
『ローランの歌』『トリスタンとイズー』等叙事詩の成立に貢献しました。
南と北の境界線は大雑把にいえばロワール河。
トルバドゥール自体は、異端キリスト教の一派の討伐を目的とした
アルヴィジョワ十字軍で衰退しました。北仏による南仏の征服であり、
トルバドゥール活躍の場であった南仏宮廷が没落してしまったためです。
あっ、まっくんの曲の解説のはずが、横道に逸れてしまいました。
でもこれでいいのかも。人生も旅も、歌詞にもある通り道なき道です。
迷いながら、時に横道に逸れながら、明日往く場所が
どんな景色か思いを馳せつつ歌い旅しているのでしょう。
奥井雅美/Dragonfly
『STAR GATE』
元気のいい曲、単純に好きなんですよねぇ。
でもちょっと、淡い哀しさ、儚さも含んでいたりして。
『Earth』とは逆に地球から宇宙を見上げた歌です。
トランスを取り入れた意欲作だったりもします。
やはり大宇宙を音で描写するならばシンセサイザーかのぅ。
うーむ。スケール大きいっす。
幾千年の悠久の時の中で、今という時代に集結して生きている
僕らは、選抜された戦友といえるのかもしれません。
エターナル・チャンピオンシリーズを髣髴とさせるなぁ。
次は遠い銀河で再会できるのでしょうか?
『燃えよ!Generation』
燃えよとおおっぴらに言われちゃ燃えないわけにいきません。
でもこの曲で最もツボにハマる表現は、
読みあさった愛読書は山積み(ToT)
でしょうね。顔文字までが歌詞です。
読了済み愛読書だけでなく、未読書も山積みです。
たまに倒れます。早く読まねば……
負けんなBABY!と応援するのは、
崖っぷちに追いつめられているGenerationだから?
そこから盛り返すパワーこそが桃源郷(シャングリラ)!
リアルに生きていても燃えられず、
くすぶるだけという人も多いかもしれませんが、
やっぱり誰もが心に炎は秘めているはずですよ。
『wild cat』
薄暗く、じめじめして、どこか饐えた臭いのする路地裏。
すき好んで居るわけではない居場所。
でもwild catはこんな場所でくすぶったまま
終わったりはしません。ここから始まりです。
今はまだ、羽根を拾っている段階なのです。
背に纏い、飛び立つ日も近いのです。
生きる、という選択肢は、今しか選べませんので、
じゃあ素顔で夢を語りましょうか。
行き着く先はどこか分かりません。
今の環境と、さほど変わらない、過酷さかもしれないし。
でも、野生の魂があれば、しぶとく生き延びられそうですね。
奥井雅美 God Speed-CD-
『紫音―sion―』
星の輝きって、どうして哀しいのでしょう。
ちかちか瞬いているから、泣いているように見えるのかな?
運命、宿命、さだめ、というのは選ぶことができません。
選ぶことができないからこそ運命であって、
選べるのなら、運命とは言わないですね。
選ぶことが出来ない運命の代表格。それは死。
命は、輝いているけど、いつか必ず死にます。
だからこそ、命はとうとい。熱い想いで守りたい。
薄紫の夜空を見上げれば……
星は気高く輝いているに違いありません。

Masami Life
★泡沫:うたかた。水の泡。はかなく簡単に消えるもの。
★清澄:せいちょう。清らかで、きれいなこと。
★心の琴線:こころのきんせん。心の奥の、感じやすい心情。
★巧み:たくみ。技術的にすぐれていること。
★弾む:はずむ。調子づく。勢いにのる。
★律動:りつどう。リズム。
★快刀乱麻:かいとうらんま。複雑にからまっているものを、気持ちよく切って解く。
★紆余曲折:うよきょくせつ。たどり着くまでに通った、最短ではない複雑な道のり。
★断腸:だんちょう。腸が切れるほどの苦痛。
★紫陽花:あじさい。
★彩る:いろどる。色を添えて鮮やかにする。
★酒の肴:さけのさかな。酒を飲む時に一緒に食べるつまみ。
★覚束なく:おぼつかなく。頼りない、あやしい。
★譬え:たとえ。比喩。
★如く:ごとく。〜のように。
★貪り:むさぼり。乱暴に喰いつくす。
★靴擦れ:くつずれ。
★退廃的:たいはいてき。荒れた、不健全な。
★虚栄:きょえい。いつわりの繁栄。
★潜んで:ひそんで。隠れている。
★透徹:とうてつ。すきとおっている。
★幽か:かすか。わずかに、微妙に。
★馳せ:はせ。巡らせる、いたらせる。
★秀逸:しゅういつ。とてもすぐれている。
雑草ヶ原
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